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 決算の手順


事業年度(1月1日~12月31日)が終了したら、1年間の収入と経費を集計して、決算書を作成します。

決算の作業手順

決算書を作成するための手順は、次の通りです。

仕訳帳へ1年間の取引を入力

不動産収入の場合は、賃貸収入と経費を記帳し、決算処理で建物などの減価償却費の計算を行い、経費へ算入すれば記帳作業は完了です。

開業年の場合は、開業前の準備費用を集計して、全額経費にするか繰延資産として償却していくかを決めることになります。

入力作業が終了したら、「残高試算表」の「今期合計の開始」をクリックしてください。「仕訳帳」へ入力した仕訳データが、「今期合計」欄へ勘定科目ごとに集計されます。

決算



決算仕訳を入力する

決算仕訳とは、決算時に入力する仕訳になります。次の項目の中で該当するものがある場合は、決算仕訳の入力が必要になります。

※仕訳例は、本書の「7.2 決算仕訳の入力」(P.212~P.219)をご参照ください。

■決算整理のチェック項目

  • 減価償却資産の減価償却費を、経費へ振り替える
  • 減価償却中の資産を、廃棄・売却した
  • 開業費(繰延資産)を、経費へ振り替える
  • 事業の現金・預金から、家事関連費を支払っている → 家事使用分を差し引く(※支払時に費用を全額記帳している場合)
  • 入力していない未収賃貸料がある
  • 来年の家賃を受け取った(前受金
  • 貸倒引当金を経費へ計上する (※事業的規模の場合)
  • 回収不能となった未収賃貸料がある
  • 未払いの経費(未払金)がある
  • 損害保険料など前払いした経費(前払金)がある など

■決算仕訳の入力方法

決算仕訳の入力は、「決算仕訳入力」の入力ダイアログから行ってください。「決算仕訳入力」の操作ボタンは、次の3箇所にあります。

  • 仕訳帳
  • 残高試算表
  • 減価償却資産台帳

「決算仕訳入力」入力ダイアログの取引内容から選択できるのは、決算処理に関する仕訳だけになります。日付は、12月31日で入力されるように設定されています。
※決算仕訳の行頭には、「*」が付きます。

決算仕訳の入力作業が終了したら、「残高試算表」の「決算の集計開始」をクリックしてください。「決算整理」へ決算仕訳の入力内容が集計され、同時に「決算整理後」へ決算データが表示されます。

集計後に、仕訳帳の入力内容を訂正・追加した場合は、その都度、「決算の集計開始」をクリックして、決算データを更新してください。

決算



初期登録されている仕訳パターンに、該当する仕訳がない場合は、「仕訳パターンの設定」の「決算整理」の区分へ追加してください。

決算データにミスがないかチェック!

決算書を作成する前に、決算データに間違いがないか、必ずチェックしてください。

【 チェックポイント 】

  • 期首残高が入力されているかどうか (※開業年の場合は不要)。
  • 合計欄の借方と貸方の金額が一致しているかどうか。
  • 残高がマイナス(赤字)になっている科目はないか。
  • 「普通預金」の期末残高と、預金通帳の12月31日の残高と合っているか。
  • 「減価償却資産台帳」の未償却残高と「残高試算表」の期末残高と合っているか。
    ⇒入力ミス・入力モレのチェック方法を参照してください
  • 収入や経費の科目残高に、大きすぎたり・小さすぎたりする数字はないか。
  • 収入の合計金額は、入金額と合っているか。
  • 決算仕訳の入力モレはないか。

以上、チェックをして問題がなければ、決算データは完成です!

入力ミス・入力モレのチェック方法

「普通預金」の残高と通帳残高が合わない!

「仕訳帳」へ入力した結果と通帳残高が合わない場合は、次の手順でチェックしてください。

  • 「総勘定元帳」で「普通預金」を選択して、集計表示してください。
  • 「前年度より繰越」の期首残高と、通帳記載の前年末残高の金額を確認してください。
  • 「仕訳帳」の入力内容に問題がある場合は、預金通帳とつけ合わせていきます。先ず、月末の残高を確認して、どの月に入力ミスがあるかをチェックし、次に日付順に残高を見ていきます。

入力ミスが見つかって、「仕訳帳」を訂正したら、必ず「残高試算表」の「集計開始」ボタンをクリックして、集計データを更新してください。

残高がマイナス(赤字)になっている科目がある

当期利益と「元入金」を除いて、科目残高がマイナス(赤字)になることはありません。「残高試算表」の集計結果がマイナスになった場合は、入力ミス・入力モレをチェックしてください。

【 現金の場合 】

  • 「総勘定元帳」で「現金」を選択して、集計表示してください。
    ※残高が赤字になるということは、帳簿上に「現金」が無いのに、「現金」で支払った仕訳を入力したことが原因になります。
  • 期首残高が未入力になっていないかを確認してください。
  • 個人お金で支払った仕訳を「現金」で記帳していないかを確認してください。
  • 「普通預金」から「現金」を引き出した仕訳が未入力になっていないか確認してください。

【 普通預金の場合 】

  • 「総勘定元帳」で「普通預金」(又は該当する補助科目)を選択して、集計表示してください。
  • 期首残高が未入力になっていないかを確認してください。
    開業年の場合は、開業時の通帳残高が未入力になっていないかを確認してください。
  • 個人の預金口座から支払った費用を「普通預金」で記帳していないかを確認してください。

【 未収賃貸料の場合 】

  • 「総勘定元帳」で「未収賃貸料」を選択して、集計表示してください。
  • 前年末の残高を確認して、「前年度より繰越」の期首残高が未入力になっていないかチェックしてください。
  • 残高のマイナスの金額から、「未収賃貸料」が発生した仕訳が未入力になっていないかを確認してください。
  • 「未収賃貸料」が発生した仕訳の金額と、入金額が違っていないかを確認してください。
「未払金」や「立替金」の残高がマイナスになった場合も、チェック方法は同じになります。

【 減価償却資産の科目の場合 】

  • 資産を購入した時点の仕訳が、未入力になっていないかを確認してください。
  • 償却中の場合は、期首残高が未入力になっていないかを確認してください。

【 開業費の場合 】

  • 「開業費」を計上する仕訳が、未入力になっていないかを確認してください。
入力ミスが見つかって、「仕訳帳」を訂正したら、必ず「残高試算表」の「集計開始」ボタンをクリックして、集計データを更新してください。

「減価償却資産台帳」の未償却残高と「残高試算表」の期末残高が違う

「仕訳帳」へ入力した金額を確認してください。

【 家事使用分がある場合 】

事業使用割合が100%でない場合は、家事分を差し引く仕訳の入力が必要です。未入力になっていないかを確認してください。

▼決算仕訳の入力例
取引内容 借方 貸方
減価償却費(車両運搬具)・事業使用分 減価償却費 車両運搬具
減価償却費(車両運搬具)・家事使用分 事業主貸 車両運搬具