家賃管理表の入力方法
「家賃管理表」は、大家さんの帳簿作成をより簡単・より手間を省くために独自に開発した<自動仕訳機能>になります。
家賃管理表の機能と仕組み
仕訳帳へ自動入力
「家賃管理表」へ入力いただくと、家賃の入金状態を一覧で確認できるだけでなく、入力内容を自動仕訳して、「仕訳帳」へ入力することができます。家賃の入金処理を仕訳をせずに行っていただけます。
管理会社への費用が自動入力できる!
管理会社から家賃が振り込まれる場合は、家賃から経費が差し引かれて入金されます。「家賃管理表」では、この差し引かれた経費も合わせて自動入力することができます。
管理会社から送付された入金レポートを見ながら、「家賃管理表」へ入力していくと、「仕訳帳」への入力は、直接支払っている経費や建物などの減価償却費だけになるため、短時間で決算書を作成いただくことができます。
管理会社の費用は、物件ごとに1つの欄へまとめて入力できます。
※部屋数が複数ある場合は、一番上の欄が入力欄になります。入力欄を明示するために、入力欄の背景色は「白」、それ以降の背景色は「グレー」に変わります。
※画像の入力フォームは、Ver.6.00になります。
「青色申告決算書」の入力フォームに準拠
「家賃管理表」の入力画面は、税務署所定の青色申告決算書の「不動産所得の収入の内訳」の書式に準拠しています。入力された賃貸物件に関するデータは、青色申告決算書(控用)の該当欄へ自動で反映されます。
初期設定 賃貸物件のデータ登録
「家賃管理表」の賃貸物件データ(※)は、「基本情報の入力」の「物件別入居者情報」から自動転記されます。入力内容の変更、入力欄を追加する場合は、「基本情報の入力」画面から行ってください。
※賃貸物件のデータは、「青色申告決算書/不動産所得の収入の内訳」 へ記入する内容になります。
初期設定 管理会社へ支払う経費の登録
管理会社から家賃が入金される場合は、家賃から差し引かれる費用の勘定科目を登録します。
家賃から、借入金を返済している場合は、コチラを参照してください。
家賃から差し引かれる経費の科目を登録
- 「管理会社へ支払う費用の勘定科目」ボタンをクリックすると、費用科目の登録ダイアログが表示されます。
- 登録する勘定科目を選択して、「追加::→」ボタンをクリックします。追加が終了したら、「登録」ボタンをクリックします。
経費の勘定科目は、5つまで登録できます。経費の項目が5つを超える場合は、「その他の経費(雑費)」を追加して、合計金額を入力してください。
「管理料」など、初期登録の勘定科目にない科目は、「勘定科目の設定」から追加が必要になります。
- 登録した「勘定科目」が、経費の入力欄へ表示されます。
家賃から「借入金」を返済している場合
- 家賃から、借入金を返済している場合は、勘定科目欄から「借入金利子」を選択して「追加::→」ボタンをクリックします。
- 次に、「元金の返済」の「追加::→」ボタンをクリックします。
- 管理会社へ支払う費用の欄へ、「借入金利子」と「元金の返済」が追加されまます。
- 家賃から差し引かれた金額(返済金額)を利子と元金の金額に分けて入力します。
家賃の入力方法
入力手順
- 画面右横の「入力」ボタンをクリックすると、入力欄が表示されます。入力欄は、賃借人ごとに分かれています。
家賃は、期間損益計算に従って、本年分(1月~12月分)について入力していきます。
※画像の入力フォームは、Ver.6.00になります。 - 自動仕訳するための必須項目は、「入金日」「入金方法」「入金内容(金額)」の3項目です。
- 入金日: 家賃を受け取った月日を入力
※家賃が、年度末(12月31日) までに入金されなかった場合は、「未収賃貸料」へ計上する日付を入力します。 - 入金方法: プルダウンメニューから「現金」または「普通預金」を選択
※事業用の口座 が複数ある場合は「普通預金」の補助科目名が表示されます。
※入力内容を削除する場合は、セルを選択して「Delete」キーを押下してください。 - 賃貸料: 入金額ではなく、請求金額を記入
※年の途中で賃貸料を変更した場合は、コチラを参照してください。 - 賃貸料以外の収入: 各項目欄(礼金、権利金、更新料、名義書換料、その他の収入)へ入力
※「礼金、権利金、更新料」の入金があった場合は、集計欄のプルダウンメニューから、入金内容を選択します。 - 預り金: 退去時に、返還する保証金・敷金を入力
※返還しない保証金・敷金は、「その他の収入」へ入力します。
- 入金日: 家賃を受け取った月日を入力
- 前受/未収について
- 前受: 前年に本年分の家賃を受け取り、前年の「収入」として申告していない場合は、「入金日」へ「1月1日(※)」、「賃貸料」を入力して、「前受/未収」のプルダウンメニューから「前受」を選択します。前受家賃の金額は、「期首残高の入力」の「前受金」へ入力が必要です。
※「前受金」を「賃貸料」へ振り替える日付として、「1月1日」と入力します。 - 未収: 本年分の家賃が、年度末(12月31日)までに入金されなかった場合は、「入金日」へ「未収賃貸料」を計上する日付(12月31日までの日付)を入力し、「賃貸料」へ金額を入力して、「前受/未収」のプルダウンメニューから「未収」を選択します。「未収賃貸料」は、本年分の収入金額に計上されます。
※管理会社へ業務委託し、「未収賃貸料」から差し引かれる経費が未払いとなる場合は、「仕訳帳」へ、経費を「未払金」で入力します。
※前年に未収だった家賃が入金された場合の入力方法は、コチラを参照してください。
未納家賃も、「収入」へ計上し、課税対象になります。
- 前受: 前年に本年分の家賃を受け取り、前年の「収入」として申告していない場合は、「入金日」へ「1月1日(※)」、「賃貸料」を入力して、「前受/未収」のプルダウンメニューから「前受」を選択します。前受家賃の金額は、「期首残高の入力」の「前受金」へ入力が必要です。
- 入力内容のコピー機能
「入金方法」と「賃貸料」は、毎月同じ内容を繰り返し入力するため、コピー機能が付いています。
1月分を入力後、「コピー」ボタンをクリックすると下の行へ入力内容がコピーされます。
入力内容の集計
家賃の入力内容は、入力欄の上の行にある、「本年中の収入金額(賃貸料の年額、礼金・権利金・更新料、名義書換料・その他)」と「保証金・敷金の入金額」へ集計表示されます。
※「家賃管理表」の集計行の入力項目は、青色申告決算書2ページ目の「収入の内訳」の書式に準拠しています。「本年中の収入金額」と「保証金・敷金」のほか、賃貸物件に関する情報項目(用途、不動産の所在地、貸付期間など)へ入力いただいた内容は、決算書の該当欄へ自動反映されます。
年の途中で空室になった場合
- 年の途中で退去された場合は、「基本情報の入力」の<入居者情報>にて、「退室」へ変更します。変更後、「家賃管理表」上へ反映されます。
年末に退室して、預り敷金などの返還が翌年になる場合は、「空状況」は初期値の「- 選択 -」のままになります。翌年の帳簿にて、「退室」へ変更します。 - 退去後、年内に新たに入居された場合は、「年の途中で入替えがあった場合」をご覧ください。
家賃を返金した場合
月の途中で退室された方へ、家賃を返金した場合は、次の手順で入力してください。
- 「入金日」「入金方法」へ、返金日、返金方法を入力します。
- 「前受・未収」のセルをクリックして、プルダウンメニューから「返金」を選択します。
- 返金額を「賃貸料」の欄へ入力します。
※返金額は、文字色が赤で表示されます。 - 集計欄の「賃貸料/年額」の欄へは、入金額合計から返金額がマイナスされて表示されます。
- 12月の家賃受領後、12月中に返金が発生した場合は、次の手順で入力してください。
- 「翌年分」のセル選択して、プルダウンメニューから「返金」を選択します。
- 「前受/未収」へ、「返金」と自動表示されます。
- 「賃貸料」へ、返金額を入力します。
- 「仕訳帳」から、「家賃管理表から自動入力」ボタンをクリックすると、返金内容が自動入力されます。
入力例: 「賃借人氏名:青色太郎」さんへ、3万円を事業用口座(普通預金)から返金した場合取引内容 借方 貸方 青色太郎 賃貸料の返金 青色太郎 30,000 普通預金 30,000
保証金・敷金を返還した場合
「保証金・敷金」を返金した場合は、次の手順で入力してください。仕訳帳へ自動入力されます。
- 一括借り上げやサブリース契約など、預り敷金を部屋単位で入力していない場合
- 預り敷金の返還が、1回ではなく、複数回の場合
- 預り敷金を、個人の現金・預金から返還した場合
- 返金月の「敷金の返金」欄へ、実際に返金した金額を入力します。
「敷金の返金」へ入力した金額が、集計欄の「返金額」へ表示され、「期末残高」がゼロに変更されます。
※全額返金しなかった場合は、「0」と入力します。
- 仕訳帳の「家賃管理表から自動入力」ボタンをクリックすると、以下の仕訳が自動入力されます。
返還しない金額は、「その他の収入」へ計上されます。
入力例: 預り敷金10万円から、現状回復費用7万円を差し引いて、3万円を「現金」で返金した場合取引内容 借方 貸方 保証金・敷金を返還 賃借人○○ 保証金・敷金 30,000 現 金 30,000 返還しない保証金・敷金 賃借人○○ 保証金・敷金 70,000 その他の収入 70,000
※以上の仕訳が自動入力されると、預った敷金10万円の残高がゼロになります。 - 原状回復にかかった費用は、別途、仕訳帳へ「修繕費」として入力します。
仕訳例: 修繕費を「現金」で支払った場合
取引内容 借方 貸方 退去時の現状回復費用 修繕費 70,000 現 金 70,000
家賃と一緒に<立替費用>が入金された場合
- 町会費や共有スペースの費用など、大家さんが立て替えて支払、家賃と一緒に入金される場合は、「立替金(立替費用)」へ入力すると、収入と分けて自動仕訳されます。
入力する場合は、「勘定科目の設定」にて、資産の科目へ「立替金」の追加が必要になります。
- 立替費用の支払い時に「仕訳帳」へ入力する際、経費の科目ではなく「立替金」で入力しますので注意してください。
仕訳例は、事業用の口座から支払い・入金された場合になります。取引内容 借方 貸方 立替費用の支払い時の仕訳 立替金 70,000 普通預金 70,000 自動入力された入金時の仕訳 普通預金 30,000 立替金 30,000
翌年の家賃が入金された場合
翌年1月の家賃を、年内に受け取った場合は、「家賃管理表」の「翌年分」へ入力します。
- 12月分の下の欄に、「翌年分」の入力欄があります。入金日と入金方法、金額を入力します。
入力例は、「普通預金」へ入金された場合です。
※「入金方法」を選択すると、「前受」が自動表示されます。入力内容を削除する場合は、入金日と入金方法、金額の各セルを選択して、「Delete(削除)」キーを押下すると消去されます。
- 「仕訳帳」から、「家賃管理表から自動入力」ボタンをクリックすると、翌年分の家賃が自動入力されます。
翌年分の家賃は、今年度の収入に含めないため、「前受金」で入力されます。 - 次年度の帳簿へデータ移行すると、「家賃管理表」の「1月分」へ、次のように表示されます。
※前受した「賃貸料」が翌年分ではなく、複数年分の場合は、次のように入力してください。- 「翌年1月分」へ自動転記された金額を、その年分の収入金額へ変更します。
- 以後、データ移行後の「家賃管理表」の「1月分」へ、1月1日の日付で、その年分の収入金額を入力して、「前受」を選択します。
※翌年以降は、手入力になります。
前年分の未収家賃が入金された場合
「家賃管理表」は、申告される事業年度(1月~12月)の家賃の入力用になります。
前年分の未収家賃が入金された場合は、「仕訳帳」へ、以下の仕訳を入力いただくようになります。
仕訳例は、「普通預金」へ入金された場合です。
入金額は、前年の不動産収入へ計上済みのため、今年度の収入金額には含まれません。
また、前年までの未収家賃の金額が、「初期設定/期首残高の入力」の「未収賃貸料」へ入力(または前年度からのデータ移行により「貸借対照表」の残高が引き継ぎ)されていることが必要になります。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
○月分の未収賃貸料の入金 賃借人○○ | 普通預金 70,000 | 未収賃貸料 70,000 |
※管理会社へ業務委託し、「未収賃貸料」から差し引かれる経費が未払いとなっていた場合は、未払分が差し引かれて入金されます。
その際は、「仕訳帳」へ、入金額を「普通預金/未収賃貸料」、未払分の金額を「未払金/未収賃貸料」で入力します。
未収家賃が<回収不能>になった場合
事業的規模かどうかで、処理方法が異なります。ご注意ください。
事業的規模の場合
貸倒損失(※)が確定した年の必要経費へ計上します。
入力には、経費の科目へ、「貸倒損失」の追加が必要になります。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
回収不能の未収賃貸料 賃借人○○ | 貸倒損失 70,000 | 未収賃貸料 70,000 |
事業的規模でない場合
「未収賃貸料」を計上した年の確定申告を修正して(更生の請求)、家賃収入を減額することで、税金を還付してもらいます。この場合、回収不能が確定した日の翌日から2ヵ月以内に更生の請求をする必要があります。
帳簿上の処理は、次の仕訳を入力して、「未収賃貸料」の残高をゼロにします。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
回収不能の未収賃貸料 賃借人○○ | 事業主貸 70,000 | 未収賃貸料 70,000 |
※貸倒損失と認められる場合:
・破産や民事再生の決定など、客観的に債権が切り捨てになった場合。
・債務超過が相当期間継続し、滞納家賃の回収不能と認められる場合で、滞納者へ債務免除の通知をした場合。
・滞納者の資産状況、支払能力から、事実上回収ができない場合。
年の途中で賃貸料を変更した場合
国税庁の案内では、提出方法によって入力方法が異なっています。
本ソフトでは、国税庁のサイト「確定申告書等作成コーナー」で申告書の作成(または e-Tax)することを推奨しているため、変更があった場合は、「基本情報の入力/物件別入居者情報の入力」の「賃貸料 月額欄」へ、変更後の賃貸料をご入力ください。
- 国税庁のサイト「確定申告書等作成コーナー」で入力する場合
入力画面の説明に、「同一契約期間内で年の途中に月額を変更している場合は、変更後の金額のみ入力」となっているため、変更後の金額をご入力ください。 - 手書きで提出する場合
税務署発行の「青色申告決算書(不動産所得用)の書き方」に「年の中途で賃貸料を変更した場合には、変更した月、変更前の賃貸料及び変更後の賃貸料を記入」となっているため、決算データを提出用の「青色申告決算書」へ転記いただく際に、2行に分けてご入力ください。
※「青色申告決算書(不動産所得用)の書き方」より引用。
管理会社の経費の入力方法 (※家賃から差し引かれた費用)
管理会社から家賃が入金される場合は、経費を差し引いた金額が振り込まれます。
管理会社へ支払った経費の入力は、次の手順で行ってください。
入力手順
- 経費入力欄に表示されている経費の科目に、過不足がないか確認してください。
・「経費の科目」が表示されていない場合や科目名を変更・追加する場合は、初期設定をご覧ください。
・「管理会社名」の入力・変更は、初期設定(物件別入居者情報)から行ってください。 - 管理会社へ支払った経費の仕訳は、家賃入力欄の「入金日」「入金方法」と「経費の勘定科目」によって、自動仕訳されます。
「日付」と家賃の「入金方法」の項目欄へ、入力されていることが必須になります。
※画像の入力フォームは、Ver.6.00になります。 - 複数の賃貸物件の管理を委託している場合、経費の入力は、管理会社ごとにまとめて一カ所へ入力していきます。
- 「基本情報/入居者情報」へ入力した社名が、「管理会社名」へ表示されます。
- 部屋数が複数ある場合は、一番上の欄が入力欄になります。
入力欄を明示するために、入力欄の背景色は「白」、それ以降の背景色は「グレー」に変わります。
一番上の部屋が空室の場合は、「入金日」と「入金方法」の入力が必要になります。
※一番上の部屋(入力欄)の賃貸料が未収により、入金が翌月になったり、通常の入金日と異なる場合は、次のいずれかの方法で入力してください。- 「賃貸料」の入金日を入力し、「仕訳帳」へ自動入力後、経費の仕訳の「月日」を変更(※)します。「月日」はセル上から変更いただけます。
※【ご注意!】 変更は、「家賃管理表」の自動入力内容が確定してから行ってください。 - 部屋数が複数ある場合は、経費の入力欄を、(一番上の欄ではなく)下の欄(背景グレー)へ入力すると、同様に自動仕訳されます。
- 「翌年分」のセル選択して、プルダウンメニューから「返金」を選択すると、「前受/未収」へ、「返金」と自動表示されます。
- 「日付」へ返金日、「入金方法」、「賃貸料」へ、返金額を入力します。
- 「賃貸料」の入金日を入力し、「仕訳帳」へ自動入力後、経費の仕訳の「月日」を変更(※)します。「月日」はセル上から変更いただけます。
- 経費の入力は、差し引かれた「賃貸料(家賃管理表)」の入力行へ、勘定科目ごとに行います。
- 賃貸料は、入金額ではなく、請求額(経費が差し引かれる前の金額)になりますので注意してください。
- 経費の入力欄になっている行は、(退室、空室で)家賃の入力欄へ入力がない場合でも、「日付」と「入金方法」へ入力が必須になります。
- 「家賃管理表」へ入力する経費は、<家賃から差し引かれた費用>のみになります。それ以外の経費は、仕訳帳から入力してください。
仕訳帳へ自動入力
- 「仕訳帳」の「家賃管理表から自動入力」ボタンをクリックすると、確認メッセージが表示されます。「はい」をクリックすると、「家賃管理表」の入力データが自動仕訳されて「仕訳帳」へ入力されます。
※「家賃管理表」から自動入力された仕訳データの摘要の行頭には「・」が入力されます。
- 仕訳帳へ自動入力されると、完了メッセージが表示されます。自動入力された仕訳データは、賃借人ごとに変換されているため、日付順に並び変える場合は、「はい」をjクリックしてください。
入力内容を確認してから並び変える場合は、「いいえ」をクリックして、仕訳帳の「月日」の横にある「ソートボタン(▲▼)」で行ってください。
- 「家賃管理表」の入力データや経費の勘定科目を変更・追加した場合は、再度「自動入力」を実行してください。「仕訳帳」から前回のデータが削除され、最新データに更新されます。